はじめに
最近Custom Context MenuというWindows11用のアプリを知り、使ってみたらかなり便利だったので自分なりの活用方法を紹介します。
このアプリを使うと、本来はコマンドを打って実行するような操作を右クリックメニューに登録しておくことができ、エクスプローラーやデスクトップ上からこんな感じで直接実行できるようになります。


コマンドラインで操作するツールといえばffmpegやyt-dlpあたりが身近ですが、オプションの書き方が覚えられず必要なときに毎回調べることになる人もいるかと思います。自分もそのタイプです。
バッチファイルを作っておくというのも一つの手ですが、このアプリでは事前にコマンドを登録さえしておけば、コマンドプロンプトや専用アプリを起動せずに実行できるというのが大きな利点です。複数選択すればまとめて処理することも可能です。
自分の場合、動画を音声に変換したりBGM除去したりといった素材の下処理が、zipファイルを展開するようなノリで手軽に実行できるようになったので、編集作業に取り掛かるまでのハードルがかなり下がったように思います。
細かく設定を調整したいときは元のコマンドやアプリを直接使えばよいので、普段よく使う操作だけ登録しておくという使い方がおすすめです。
導入方法と使い方
導入
Custom Context MenuはMicrosoft Storeからインストールできます。
Microsoft Storeで「Custom Context Menu」を検索してインストールすればすぐ使い始められます。120円と書いてありますが無料版でも機能制限なく利用できます。

インストール後にアプリを起動すると、こんな感じの設定画面が表示されます。

Addか左の+をクリックすると追加したいコマンドの登録ができます。
実行ファイルやコマンドの設定を保存すると、エクスプローラーの右クリックメニューに項目が追加される仕組みです。
注意点としては、通常の右クリックメニューには追加されますが、Shiftを押しながら右クリックしたときの詳細メニューの方には追加されないことです。Windows11になってから右クリックするときはShiftも押す癖がついてしまっている人にとっては、最初のうちは少し慣れないかもしれません。
基本的な使い方
一番よく使うのが動画から音声だけを取り出してwav形式で保存するコマンドです。

基本的な設定項目は以下のような感じです。
Title:コマンドの表示名
Order:メニューの表示順
数値が大きい方がメニューの下の方に来るようになります。
Exe:実行するプログラム
"C:\tools\ffmpeg\bin\ffmpeg.exe"
exeファイルの配置場所は人によって異なると思うので、参考にする場合は自身の環境に合わせてください。 環境変数に登録してあればフルパスで書く必要はないです。
Param:コマンドライン引数
-y -i "{path}" "{parent}\{nameNoExt}.wav"
ffmpegで動画ファイルを音声ファイルに変換するコマンドです。ffmpeg以降のパラメータをここに入力します。
{path}は右クリックしたファイルのパスで、{parent}はファイルがあるフォルダのパス、という感じで使える変数が用意されています。
ここでは動画ファイルと同じ場所に拡張子だけ.wavに変えたファイル名で保存するという処理にしています。
Match File:メニューを表示するファイルの拡張子
.mp4|.mkv|.webm|.mov|.flv|.mp3
ここで指定した拡張子の動画ファイルを右クリックしたときにのみ、「動画→WAV変換」というメニューが出てくるようになります。
動画ファイルの拡張子は他にもありますが、必要になったら足していく感じで使っています。
使用例
上記の処理の他に実際に自分が登録しているコマンドをいくつか紹介します。
ffmpegやaudio-separatorなど個々のツールのインストール方法は省略しますが、環境さえ用意してしまえばかなりカスタマイズ性は高くなると思います。
WAV → MP3変換
音声を試聴用に軽量化したいとき用。
Exe
"C:\tools\ffmpeg\bin\ffmpeg.exe"
Param
-i "{path}" -codec:a libmp3lame -q:a 2 "{parent}\{nameNoExt}.mp3"
Match File
.wav
WebM → MP4変換
WebM形式の動画ファイルをh264コーデックでmp4に変換する処理。
ダウンロードする段階で変換してしまうことが多いので使用頻度はそこまで高くないです。変換をローカルのGPUを使ってやりたいときに使ってます。
Exe
"C:\tools\ffmpeg\bin\ffmpeg.exe"
Param
-y -hwaccel cuda -hwaccel_output_format cuda -i "{path}" -c:v h264_nvenc -preset slow -c:a aac -b:a 192k "{parent}\{nameNoExt}.mp4"
Match File
.webm
動画 → 連番PNG変換
素材切り抜きや画像処理用。
ffmpeg単体でも連番画像にすることはできますが、フォルダを作ってからその中に連番画像を保存するようにしたかったので、cmd.exeを呼び出して実行しています。
Exe
"C:\Windows\System32\cmd.exe"
Param
/d /c if not exist "{parent}\{nameNoExt}_frames" mkdir "{parent}\{nameNoExt}_frames" & "C:\tools\ffmpeg\bin\ffmpeg.exe" -y -i "{path}" "{parent}\{nameNoExt}_frames\frame_%06d.png"
Match File
.mp4|.mkv|.webm|.mov|.flv
yt-dlpで一括ダウンロード
URLを羅列したテキストファイルを選択して実行。
Exe
"C:\tools\yt-dlp\yt-dlp.exe"
Param
-a "{path}" --cookies-from-browser firefox
Match File
.txt
ボーカル抽出(bs_roformer)
audio-separatorはPythonで実行できる音声分離処理ライブラリで、Ultimate Vocal RemoverのCLI版みたいなイメージです。
UVRと同じモデルが使えるので、セリフ用や人力用など目的に応じてモデルを変えたりして複数バージョン用意するのがおすすめです。
Exe
"C:\Users\localuser1\AppData\Local\Programs\Python\Python311\Scripts\audio-separator.exe"
Param
-m audio_separator "{path}" --single_stem Vocals --model_file_dir "C:\Users\localuser1\AppData\Local\Programs\Ultimate Vocal Remover\models\MDX_Net_Models" --model_filename "bs_roformer_vocals_resurrection_unwa.ckpt" --output_dir "{parent}" --output_format WAV
--model_file_dirと--model_filenameはもう少し分かりやすい場所に置いた方がいいかも。
Match File
.wav
ボーカル除去(bs_roformer)
--single_stemのオプション部分だけVocalsからInstrumentalに変えればBGMだけを取り出す処理になります。
Param
-m audio_separator "{path}" --single_stem Instrumental --model_file_dir "C:\Users\localuser1\AppData\Local\Programs\Ultimate Vocal Remover\models\MDX_Net_Models" --model_filename "bs_roformer_vocals_resurrection_unwa.ckpt" --output_dir "{parent}" --output_format WAV
Match File
.wav
stem分離(htdemucs_6s)
楽曲の耳コピ目的。Demucsモデルを使った6stemの分離。
Exe
"C:\Users\localuser1\AppData\Local\Programs\Python\Python311\Scripts\audio-separator.exe"
Param
-m audio_separator "{path}" --model_file_dir "C:\Users\localuser1\AppData\Local\Programs\Ultimate Vocal Remover\models\Demucs_Models\v3_v4_repo" --model_filename "htdemucs_6s.yaml" --output_dir "{parent}" --output_format WAV
Match File
.wav
終わりに
Microsoft Storeで検索するとCustom Context Menu以外にも似たようなことができそうなアプリがたくさん出てきます。調べてみたら、Windows10でも使えるFileMenu Toolsというフリーソフトもあるようです。 他のツールの使用感までは試していないですが、機能面で大きな差はないんじゃないかと思います。自分はCustom Context Menuが一番メンテナンスされてそうだったので選びました。
使用例でいろいろと紹介していますが、やりたい処理をAIに伝えればコマンドの内容や設定は教えてくれるはずなので、活用の幅はかなり広くなると思います。














































